株式会社メディカル・アート
ハラスメント防止対策における指針
本指針の目的
この指針は、株式会社メディカル・アートが運営する事業所において、全従業員(非常勤職員を含む。また、以下「従業員」という。)が、個人としての尊厳を尊重され、働きやすい職場環境を確立することにより、従業員の利益の保護及び業務効率の向上を図ること、並びに、従業員が接する利用者等に対しても、同様に個人の尊厳を尊重して対応することを目的として、ハラスメントの防止及び対応のために必要な用語の定義や従業員が理解しておく必要のある事項を定めるために本指針を作成する。
1 事業所におけるハラスメントに関する基本的な考え方
本指針におけるハラスメントとは、以下のとおりとする。
(1)職場内におけるハラスメント
① パワーハラスメント
職場において役職・年齢・性別・業務成績等の違いや立場の上下関係・人間関係などの職場内での優位性を利用して、業務の適正な範囲を超えて精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為(嫌がらせや無理難題を言ったり押し付けたりする行為)
② セクシャルハラスメント
望まない性的な言動により職場内の環境や人間関係を悪化させたり個人の人権を著しく害する行為
③ モラルハラスメント
言葉や態度、身振りや文書などによって、働く人間の人格や尊厳を傷つける又は肉体的、精神的に傷を負わせるなど、その人間が職場を辞めざるを得ない状況に追い込んだり、職場の雰囲気を悪くさせる行為
④ マタニティハラスメント
妊娠や出産・産前産後休業や育児休業、介護休暇等の利用に関し嫌がらせや嫌味・休みにくくする等を行う行為
⑤ アルコールハラスメント
アルコールの強要や飲酒上の嫌がらせを行う行為
⑥ テクノロジーハラスメント
コンピューターやスマホ、タブレットなど ICT 機器等の利用が苦手な従業員に対し丁寧に教えなかったりする行為
(2)介護現場等におけるハラスメント
① カスタマーハラスメント
利用者や家族からの暴言や暴力、過剰・不合理な要求、合理的範囲を超える時間的場所的拘束、その他ハラスメント行為、悪質なクレームなどの迷惑行為
2 職場内におけるハラスメント対策
(1)従業員の責務
① ハラスメントの禁止
全ての従業員は、ハラスメントについて正しく理解し、ハラスメントを行ってはならない。従業員の一員であることを自覚し、円滑なコミュニケーションを心掛け、より良い職場環境づくりに努める。
② ハラスメントへの対応
職場でハラスメントを受けた場合又は発見した場合は、総務:後藤大介に相談する。
③ 研修会
ハラスメント防止のために、年 1 回は本指針を徹底するなどハラスメント研修を行う。
(2)管理者の責務
① 職場環境の整備
総務及び管理者は、従業員間のコミュニケーションが図られ、従業員一人ひとりがその能力を十分に発揮できる、風通しの良い職場環境を確保できるよう努めなければならない。
② 苦情・相談への対応
総務及び管理者は、従業員からハラスメントに関する苦情・相談があった場合には、迅速かつ適切に対応する。
③ 従業員の意識啓発の推進
総務及び管理者は、従業員がハラスメントについて正しく理解し、ハラスメントの未然防止を図るため、本指針の周知に努め、従業員の意識や職場の実態を把握するとともに、従業員に対するハラスメント防止研修を実施する。
(3)ハラスメントの相談等の取り扱い
① ハラスメントの相談を行った従業員が不利益を被らないよう、十分に留意する。
② ハラスメントの判断を行ったと指摘された従業員については、弁明の機会を十分に保証する。
③ ハラスメントの判断や対応は、管理者会議で検討する。
3 介護現場等におけるハラスメント対策
従業員による利用者・家族へのハラスメント及び利用者・家族によるハラスメント防止に向け、以下の対策を行う。
(1)利用者・家族へ周知
① 事業所が行うサービスの範囲及び費用
② 従業員に対する金品の心づけのお断り
③ サービス内容に疑問や不満がある場合、又は従業員からハラスメントを受けた場合の連絡先及び相談窓口
④ 従業員へのハラスメントを行わないこと
(2)従業員の責務
以下の事例があった場合は、管理者に報告・相談を行う。
① 利用者・家族からカスタマーハラスメント等を受けた場合
② 利用者・家族に何らかの異変があった場合
(3)管理者の責務
① 相談や報告のあった事例について問題点や課題を整理し、管理者会議で検討をし、必要な対応を行う。
4 苦情・相談への対応
(1)苦情・相談の申し出
従業員、利用者及びその家族等は総務及び管理者に、職場及び介護現場におけるハラスメントの苦情・相談を申し出ることができる。また、当事者ではないが他の従業員等が受けているハラスメントについて不快に感じた従業員等も申し出ることができる。
(2)相談窓口
総務:後藤大介又は所長:山添友恵とする。
(3)ハラスメント対策委員会の設置
委員長は所長とする。
① 構成
委員会の委員は、委員長、看護師及び各事業所の管理者、総務従業員その他委員長が必要と認める者とする。
② 委員会の開催
年に 1 回以上開催する。その他、必要な都度(ハラスメント事案発生時 等)開催する。
③ 委員会の役割
・ 指針・マニュアルの整備に関すること
・ ハラスメント事案が発生した場合の関係者への対応及び、再発防止に関すること
・ ハラスメントに関する従業員への指導
・ ハラスメント防止の取り組みに関すること
(4)秘密の保持
苦情・相談に関与した者は、関係者のプライバシーや人権を尊重するとともに、問題処理に必要な場合を除き、知り得た情報を漏洩してはならない。
(5)不服申し立て
ハラスメントの被害者もしくは加害者は、問題処理に不服がある場合、ハラスメント防止対策委員会に対し審査を申し出ることができる。
(附則)
この指針は、令和6年1月1日より施行する。
(参考)ハラスメント例一覧
パワーハラスメント
① 身体的な攻撃(暴行・障害など身体的な攻撃をする行為等)
② 精神的な攻撃(脅迫、名誉棄損・侮辱・ひどい暴言など精神的に攻撃をする行為等)
③ 人間関係の切り離し(隔離・仲間外れ・無視等)
④ 過小な要求(仕事の抑制・能力とかけ離れた程度の低い職務の命令等)
⑤ 過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制・仕事の妨害等)
セクシャルハラスメント
① 性的な内容の発言(性的な事実関係を尋ねること、性的な内容の情報や噂話を流布すること。性的な冗談やからかい、性に関する偏見に基づく発言、個人的な性的体験談を話すこと等)
② 性的な行為(性的な関係を強要すること。性的な内容の電話、手紙、メール等を送ること、身体に不必要に接触すること、食事やデートに執拗に誘うこと、性別の偏見により職務内容を決めること、酒席でお酌やデュエット等の強要等)
モラルハラスメント
① 精神的に追い詰める(無視による嫌がらせ、相手を精神的に追い詰める行為を繰り返し行う、バカにする、わざと嫌味や陰口を言う、馬鹿にしたような視線・見下したような視線を送る、本人が嫌がるあだ名をつける等)
② 集団の中に入れないようにする(集団から切り離し、孤立させる行為、行事・会議・ミーティングなどに誘わないといった仲間外れ状態」を意図的に作る等)
③ プライベートへの過度な干渉(恋人やパートナーのことをしつこく聞き出す、終業後や休日などのプライベートの時間の行動を把握しようとする、業務上必要がないにも関わらず、執拗にプライベートに干渉する行為等)
マタニティハラスメント
① 状態に対する嫌がらせ(妊娠、出産等の状態になった職員への嫌がらせ行為等)
② 制度利用に対して嫌がらせ(産前産後や育児休業等の制度利用者に対しての嫌がらせ行為等)
③ 育児等における時短利用に対して嫌がらせ(育児などにおける時間短縮業務や夜勤免除等の利用者に対する嫌がらせ行為等)
アルコールハラスメント
① 飲酒の強要(飲酒を無理に進める、飲酒しない人への嫌がらせ行為等)
② 意図的な酔い潰し(一気飲みなど、自身のペースを守らせずに酒を飲ませる等の行為)
③ 酔ったうえでの迷惑行為(酔ったうえでの、セクハラ、説教、暴言などの迷惑行為)
テクノロジーハラスメント
① できないことを責める(PC やデジタルツールの操作が苦手な人に対し、出来ないことを責める言葉、叱責をする、侮辱する等)
② 意図的にわからないようにする(専門用語を多用し、意図的に難解な説明をする等)
③ 高度な技術を有する業務をさせる(フォローやサポートをせずに、スキルを大きく超えた業務をさせる等)
カスタマーハラスメント
① 長時間拘束する(文句や誹謗中傷、罵倒による長時間の拘束等)
② 暴言を吐く(過激な発言や無理な要求等)
③ 脅迫(度を越した要求や威嚇行為をともなった暴言、金品の請求等)
④ その他施設、職員に対するハラスメント等