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株式会社メディカル・アート

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4年ぶりに開催…めぐみの会全体研修【後編】「高齢者虐待防止と権利擁護」

2024年6月26日(水)午後6時30分より

練馬区立 男女共同参画センター「えーる」にて

4年ぶりとなる、めぐみの会全体研修を行いました。

前編【自宅でできる介護予防~最期まで自宅で過ごすには~】は、

こちらの記事をご覧ください。

↑↑↑前編の記事はコチラ↑↑↑

後編のテーマは「高齢者虐待防止」

後編のテーマは「高齢者虐待防止」について。

前編に引き続き、

荻布善和 主任介護専門員(ケアマネージャー)が講師です。

虐待の早期発見は「努力義務」 発見したら報告「義務」

まずは「高齢者虐待防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」を元に講義。

「なんかちょっとややこしいなあ…」という人に向けに、

かみ砕いて解説をしてくれました。

第5条について

まず法律の条文を紹介。その後、解釈を伝えます。

【第5条】

『養介護施設職員などは高齢者虐待を発見しやすい立場にあることを自覚し、高齢者虐待の早期発見に努めなければならない。」(中略)

こちらを解釈すると…

『日々の業務の中で、「これは虐待?」と思うことにアンテナを張り、業務にあたる必要がある。』

これは、

『虐待を早期発見する。努力義務がある。』ということです。

第21条について

【第21条】

『養介護事業者は高齢者虐待を受けたと思われる高齢者を発見した場合は、速やかに、これを市町村に報告しなければならない。』(中略)

こちらを解釈すると…

『介護者(介護事業者)は高齢者虐待を発見したとき、市町村に報告する義務がある。』

ということになります。

つまり、虐待の早期発見は「努力義務」

発見した場合は、報告する「義務」があるということになります。

どこまでが虐待?例題「認知症の利用者が外に出ようとしたところ…」

講義では、例題が出題されました。

【例題】

ケアマネAさんが、近くのデイサービスに見学にいきました。
ちょうど帰りの送迎が開始する時間でした。
認知症と思われる利用者Bさんが不安な顔をして立ち上がり、
外へ出ようとドアの方へ歩き始めました。
Bさんに対し、介護職Cさんが「ちょっと待って、座ってて」と促しますが、
Bさんはまた歩き始めます。
Cさんは「もう座ってなさい!」と怒鳴りました。
Bさんは「ごめなさい」と言い座りますが、また歩き始めます。
職員のDさんが、Bさんの近くに行き、
「座ってましょう」とBさんのひざの上に座りました。
Bさんは「やめてー」と言いました。
さて、職員の対応は虐待だったのでしょうか?

【解説】

結論から言うと、CさんもDさんも虐待です。

Cさんはが「もう座ってなさい!」と怒鳴ったことは心理的虐待にあたります。

そして、DさんがBさんの膝の上に座ったことは身体的虐待にあたります。

ちなみに、このDさんの例が出た時には、

「なんてひどい奴だ…!」と会場がどよめきました。

一方で参加者からはこんな質問が…。

「仮に職員がBさんに何もせず、そのまま外に出ちゃった場合はどうなりますか?」

この場合は、ネグレクト(放棄・放置)にあたり、これも虐待になるということです。

例題の解説にもどりますが、

Aさんは虐待を目撃したということになるので、

市区町村へ報告する義務があります。

なぜ虐待は起きるのか?結論:ストレスだけじゃない

では、なぜ虐待が発生するのでしょうか?

とある機関の調査を引用し、”職員による虐待発生の要因”が紹介されました。

内容は下の画像の通り。

※画像は某機関による調査(弊社ではありません)

知識や意識の不足の割合が、78.5%と最も高いことがわかります。

その理由として、『虐待グレーゾーン』が関係あるというのです。

虐待グレーゾーン…意図的じゃなくても「それ虐待です」

『虐待グレーゾーン』とは不適切なケアのこと。

一般的に虐待が起こる前には、

この虐待グレーゾーンが数多く存在していることが知られています。

※一般論としての虐待グレーゾーン

このスライドが映った瞬間にも会場がどよめきました。

「こんなのグレーじゃない!黒だ!」

「全部アウトだろ!!」

虐待や不適切なケアは意図的なこともある一方、

非意図的なことがあることも再確認しました。

まとめ

研修の最後には、

私たち介護職員などは、虐待を発見したら、通報することが義務である。

日ごろから、「あれ?」と感じる視点を持って、

お互いに気持ちよく指摘しあえる職場をつくっていこう。

こういった内容で締めくくられました。

次回は8月開催予定

4年ぶりの全体研修会。

参加者からは、

「久しぶりに会えて会話できた人がいて良かった!」や、

「日々の忙しさの中で、振り返る機会があるのは良いこと!」

といった感想をいただけました。

次回の開催は8月を予定しております。

めぐみの会では…

ご利用者への「質の高い介護サービスの提供」を目指し、

日々知識・技術の研鑽に励んでいます。

そして、

ここ練馬区の訪問介護の現場で一緒に働いてくれる

ヘルパーさんを随時募集しています。

ご興味のある方は、下記リンクより採用ページをご覧ください。